ギャンブルみたいな人生でも毎年クリスマスはやってくる

ここ最近とりつかれたように仕事を進めていたことで、今日あたりは確実に自由時間だらけだろうなぁと思っていたところ、思った以上に余裕しかなく17時過ぎにバイトを終わらせたものの、クリスマス前の中年にありがちな「早く終わらせても何もやることがなく、どこも行くところもなく、誰と会うわけでもない」三面楚歌の事態に陥り、じゃあもうちょい働こうかなと粘ったものの、今日は本当にやることなく、じゃあ早く帰ればいいじゃんに対して「雨」という四面楚歌成立。

傘を買うぐらいならばと、「暇なんで帰りまーす」という肥溜めみたいな顔した愛嬌のある女子大生風のバイトちゃんが出てきた鳥貴族に野口1枚勝負で入店。

カウンターには僕の5年後、そして10年後みたいなおっさんが座っており、僕の入店でスリーカード成立。
肥溜めみたいな女子大生が抜けたことで、キッチンには僕の5年前、10年前みたいなアラサー男性が二人。ファイブカード成立だ。
「そーいえば彼女と仲直りしたの?」
「えぇまぁ。店長は最近どうなんすか?」
「まぁ長いから可もなく不可もなくだわ。」
彼女がいる二人。
ファイブカードからまさかのフルハウスに成り下がりである。
よく考えたら僕はまともにバイトをしたことがない。

つまりキッチンの二人は僕の5年前、10年前とは雲泥の差である。

そう考えるとファイブカードは言い過ぎた。

フルハウスへの成り下がりも納得である。

つけすぎた山椒のせいか、むせ混み、ポーカーフェイスを貫けず金麦を流し込む。

じゃあ逆にカウンターのおっさん二人は僕の5年後、10年後じゃないよな、と改めて様子を確認すると僕の未来そのものの雰囲気。

見事なまでのデブとハゲ。

二人ともメガネはかけてなくて、僕はメガネをかけている。

まさかのツーペアに成り下がりである。

僕がジョーカーならばフルハウスをキープだったけど、メガネをかけたジョーカーをあなたは見たことがあるだろうか。太ったジョーカーをあなたは見たことがあるだろうか。こんなに長文を書くジョーカーをあなたは、以下同文。
ポーカーフェイスを貫くどころか、いたたまれなくなってお会計。

伏し目がちに店を出た僕と入れ替わるように男性が入っていった。

後ろ姿はデブである。

メガネをかけていたのかどうかはわからない。

フルハウスかツーペアか」

世界一どうでもいいポーカーにお釣りの37円を握りしめた手に力が入る。

人生なんてギャンブルと変わらない。

いつの間にか雨は止み空気が澄みわたる。

見上げた空には星が散らばり、そのまばゆきはクリスマスの到来を告げていた。