R-1ぐらんぷり2019 寸評

とりあえずM-1の時と同じく情報を遮断してバイトから帰宅。

スマホも開かず飯を食べて録画をチェック。チェックと平行して寸評してみた。

 

早速いってみよ。

◎Aブロック

チョコプラ 松尾
 モノマネグランプリの長尺版

バー直 前野
 やりきった。けど勝ち抜けはない。

こがけん
 初めて見たけどおもろい。よくできてる。勝ち残りやわ。

セルスパ 大須
 おもろいけど相手が悪かった。

て、大須賀かい!

 

◎Bブロック

おいでやす小田
 おもろい。粗品に迫れるか

霜降り明星 粗品
 ワールド全開 個人的には小田よりおもろかったけどどうか

ルシファー吉岡
 何がおもしろいのかわからない

マツモトクラブ
 ワールド全開 けどちょっと複雑か

て、僅差で粗品!おいでやす小田おもろかったもんな

 

◎Cブロック

元巨匠の岡野が一位復活。
コンビ時代から追い続けていた天才。
期待したい。

だーりんず 松本りんす
 決勝戦が見てみたい。これはせこい

河邑ミク
 かわいすぎておもろくて、ただこれで勝ち抜けはない

三浦マイルド
 さすがチャンプ。けど一本調子でこの組ではきついか

元巨匠 岡野
 さすが天才。発想が羨ましい。勝ち残る気ないやろ

 

というか、今日の客おかしいわ。
オープニングのチョコプラ松尾から、えーとかうーとかおーとかへーとかひゃーとか。
笑うか笑わないかの二択やぞ。

で、やっぱり松本りんすが勝ち残りね。
岡野は来年こそストレートでラスト10組に期待。

 

それにしても今年は総じておもしろかった!
早くも来年が楽しみです。

勝戦3名は敬意を表してノーコメントで。

 

 

 

好きで太っているわけではない。

谷町線の南のはて、八尾南駅。最終電車が定刻に到着。

雨が滴る啓蟄。冬ごもりしていた虫たちが蠢き始めるのとは裏腹に、改札には人がまばら。

ビニール傘を2本握りしめ、構内を伺う今風の男性。

そこに駆け寄る小柄な女性。

それを見つめる大太りの僕。

頭をポンポンと撫でる男性、

手を握りしめる女性。

唇を噛みしめる大太りの僕。

傘を差し出す男性。

首を横に降る女性。

意味がわからず首をかしげる大太りの僕。

1本の傘をさす男性。

それに寄り添う女性。

雨に打たれる大太りの僕。
折り畳み傘を取り出すも体がはみ出す大太りの僕。

この雨はきっと僕の涙雨だと思う。濡れているのは僕のすさんだ心だった。

死ぬまでに相合い傘をしてみたい。あわよくば手元に傘を余らせて。

そういえばずっと昔、突如の夕立で誰も傘を持たない中、たまたま前日に持って帰るのを忘れた傘を持ち歩いていた僕が、どしゃ降りに困っている女性に傘を差し上げて雨に打たれながら帰っていると、傘をさしながら傘を持って駅に走る男性とすれ違った。振り返ると、その男性は僕の傘をさす女性に駆け寄っていた。

どしゃ降りなのは僕の心だった。

死ぬまでに相合い傘をしてみたい。だけど大太りの僕はどんな傘でも独り用になってしまう。

平成最後のクリスマスストーリー

クリスマスは罪な日だ。

僕は彼女の気持ちに気付いていた。だけど気付かないフリをしていたんだ。
だって僕は彼女の気持ちに応えられないから。いつもいつも健気に僕をいたわってくれる彼女に感謝はしていた。だけどその関係はずっとこの先も変わることはなく、ましてや発展することはないのだから。

最近彼女の様子がおかしいことは察知していた。僕に対して反応が鈍かったり、急に明るくなったり、それは不安定の現れだったのだろう。
それでも僕は気付かないフリをしていたんだ。いやひょっとすると、近い将来こんなことになるかもしれないと恐れていたのかもしれない。

クリスマスが彼女を壊したんだ。
僕はいつもの時間に起きて、いつも通りに朝食を済ます。そしていつも通りに歯を磨き、いつも通りにトイレに入る。このトイレこそが彼女のことを考え向かい合う時間になる。
今日はどんな様子だろう。機嫌は良いだろうか。いつもと変わらず接してくれるかな。想いを巡らせる。
いつもと変わらぬ手順でウォシュレットのボタンを押す。
シャー、シャー、シャー
ホッとした。
ボタンを押した時にいつもよりも多くの電灯がパッと点いたけど、いつもと同じだ。
あー良かった、彼女は今日もいつもと変わらない。

止めようと再度ボタンを押す。
シャー、シャー、シャー、シャー···
彼女はいつもと違っていた。いくら制止しても止まらない。
さっきまであんなに大人しかった彼女が豹変したのだ。荒々しく僕に迫る。
ナイアガラの滝を彷彿させる水流がひたすら僕の肛門に侵入しようと攻め続けてくるのだ。リモコンから電池を抜き、手でコロコロ転がして再度充填。
「止まれー!」
先日視聴したソフトオンデマンドの「時間よ、止まれ!」シリーズが頭をよぎる。けど時間は止まるわけでもなく、裸のおねえちゃんがいるわけでもない。何も止まらない。
シャー、シャー、シャー、シャー
僕の止まれを返して欲しい。
平成最後のクリスマス。目覚めた時は天気が良くて、素敵な1日を予感した。
それが1時間も経たずに「止まれー!」だってさ。僕の止まれはどこにも届かない。
彼女は容赦なく僕の、僕の肛門を、攻め立てる。
永遠とも思えるロスタイムに突入だ。いや、これはサドンデスだ。
世界中の水を使い果たして彼女が止まるのが先か、今まで失点を許したことがない僕のゴールマウスが割られるのが先か。
負けられない戦いが、そこにはある。
当たり前なことを当たり前に言う。
猛攻は止まらない。止まるわけがない。日本の家電と水道の完璧なるタッグ。僕はひたすら堪えるしかないのである。段々と意識が遠のき始める。今日のバイトは休むしかないのか。だとしたら、何と言って休めばいいのか。
「ちょっと急病で休ませてください。」
いやいやいや、身体はめちゃくちゃ元気。だってこれだけの水流を防げるぐらい肛門も元気だもん。嘘はつけない。
「彼女が離れてくれないので休ませてください。」
クリスマスっぽい理由だがこれはさすがに言いづらい。そもそも僕に彼女がいないことは周知の事実である。しかもそんな理由で休む社会人は僕は嫌いです。

てか、電話もないから連絡できねーよ。
このままだと無断欠勤だよ、これ。会社の人が心配して家に来てトイレからシャー、シャー聞こえてきて、開けてみたらウォシュレットに叩きのめされて泣いてる僕がいる。
これは人間として死んだも同然だ。肉体は元気でも精神的に死亡診断が出てもおかしくない。火葬になぞらえて僕の存在を仮想にして欲しい。言うてる場合か。

物理的なボタンが本体のどこかにあるはずだ。
肛門への刺激が快楽に変わり始め、薄れ行く意識の中で僅かに思考が働いた。
全身全霊の神経を肛門に集中させていたけれど、姿勢をキープしたまま指先にパワーを分け与える。
みんなー!おらに元気を分けてくれー!
クリスマスの朝のトイレで僕は何をしているのだろう。YELLOW MONKEYあたりが歌詞にしてくれないものだろうか。

密室で長時間に渡り肛門にディープキスを受け続ける僕。一途な彼女だ。
全身が敏感になり、もう訳がわからなくなってきた。手探りで本体付近にボタンはないかと探す。なんだか程よい突起が指先に触れた。
振り返り確認をするも、メガネをかけておらずぼんやりとしか見えない。しかしそれは極めて適切な雰囲気を醸し出すボタンだった。
もしこのボタンが無実を訴え続ける死刑囚の絞首台につながっていたとしても、僕は躊躇なく押したであろう。それぐらいの雰囲気を醸し出すボタンだったのだ。

ピーっと音を鳴らし名残惜しそうに収まる水流。ノズルがウィーウィウィーンと音を立てて格納されていく。

「いつもありがとう、メリークリスマス」
初めて口にした感謝の言葉は下水へと流れていく。誰もいない小さな個室の中で起こったクリスマスストーリー。

クリスマスはつくづく罪な日である。

 

ギャンブルみたいな人生でも毎年クリスマスはやってくる

ここ最近とりつかれたように仕事を進めていたことで、今日あたりは確実に自由時間だらけだろうなぁと思っていたところ、思った以上に余裕しかなく17時過ぎにバイトを終わらせたものの、クリスマス前の中年にありがちな「早く終わらせても何もやることがなく、どこも行くところもなく、誰と会うわけでもない」三面楚歌の事態に陥り、じゃあもうちょい働こうかなと粘ったものの、今日は本当にやることなく、じゃあ早く帰ればいいじゃんに対して「雨」という四面楚歌成立。

傘を買うぐらいならばと、「暇なんで帰りまーす」という肥溜めみたいな顔した愛嬌のある女子大生風のバイトちゃんが出てきた鳥貴族に野口1枚勝負で入店。

カウンターには僕の5年後、そして10年後みたいなおっさんが座っており、僕の入店でスリーカード成立。
肥溜めみたいな女子大生が抜けたことで、キッチンには僕の5年前、10年前みたいなアラサー男性が二人。ファイブカード成立だ。
「そーいえば彼女と仲直りしたの?」
「えぇまぁ。店長は最近どうなんすか?」
「まぁ長いから可もなく不可もなくだわ。」
彼女がいる二人。
ファイブカードからまさかのフルハウスに成り下がりである。
よく考えたら僕はまともにバイトをしたことがない。

つまりキッチンの二人は僕の5年前、10年前とは雲泥の差である。

そう考えるとファイブカードは言い過ぎた。

フルハウスへの成り下がりも納得である。

つけすぎた山椒のせいか、むせ混み、ポーカーフェイスを貫けず金麦を流し込む。

じゃあ逆にカウンターのおっさん二人は僕の5年後、10年後じゃないよな、と改めて様子を確認すると僕の未来そのものの雰囲気。

見事なまでのデブとハゲ。

二人ともメガネはかけてなくて、僕はメガネをかけている。

まさかのツーペアに成り下がりである。

僕がジョーカーならばフルハウスをキープだったけど、メガネをかけたジョーカーをあなたは見たことがあるだろうか。太ったジョーカーをあなたは見たことがあるだろうか。こんなに長文を書くジョーカーをあなたは、以下同文。
ポーカーフェイスを貫くどころか、いたたまれなくなってお会計。

伏し目がちに店を出た僕と入れ替わるように男性が入っていった。

後ろ姿はデブである。

メガネをかけていたのかどうかはわからない。

フルハウスかツーペアか」

世界一どうでもいいポーカーにお釣りの37円を握りしめた手に力が入る。

人生なんてギャンブルと変わらない。

いつの間にか雨は止み空気が澄みわたる。

見上げた空には星が散らばり、そのまばゆきはクリスマスの到来を告げていた。